えみため日記 

日はまた昇る! 言霊のさきはふ國 神づまり坐すこの國に 生まれたことのしあはせを♪

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ノーカントリー」をみてきました。
タイトルからして、”厭な感じ”がします。
できることなら、みたくはなかつたが‥

 映画冒頭、眼の前にひろがるテキサスの荒れ地‥ 
荒涼美、とでもいふのか‥
みなれた日本の風景とはあまりにちがふ、緑のとぼしい乾いた土地。
じきに観客は、その地面の上に、おびただしい血のしただりを観る。
無造作にころがる人や犬のむくろ。蠅の羽音‥

 これが世界だ。観ろ。

 取引の行き違ひからか、互ひに殺し合つた男達の死骸にでくはした男は、そこにあつた大金を持ち逃げし、殺し屋に追はれる身となる。しかし観客の注意をひいてやまないのは、がんばれよ、逃げ切れよ、と応援される立場の男より、彼を追ふ異様な風体の殺し屋でせう。
 取引の金を持ち逃げされた組織の依頼を受けて追つてゐるわけでもない。金を返したところで許さない。はたからみれば理不尽そのものでしかない、彼独自の論理でどこまでも標的を追ひ、死を与へずにはおかない彼‥

 コインをトスして表か裏かをいはせ、うまく当てればみのがしてやる、こともある。
それすらあなたの恣意ぢやないの、と追はれる男の妻は恐怖に震へつつも殺し屋にいふ。
 彼は生身の人間といふより、死と暴力の象徴のやうだ、と評者は口を揃へます。
わずかな”自由意志”をみとめてやるかにみえて、結局は残酷に人間を翻弄する。

 このうへもなく酷薄な、俺たちの神を味はへ。

 老いたる人にはもはや理解不能な、わけのわからない暴力がはびこるアメリカ社会を嘆いた、重い文明批評の映画だ‥ととらへてゐる向きもあるやうです。

 けれども‥痛みと嘆きをともにするやうなポーズをみせながら、實際にこの映画が、観るものに刻印しようとしてゐるものは何なのだらうか?

 血と暴力に倦み、みずからの無力に嘆息する老保安官は、妻に夢の話をする。
亡き父と、寒い荒野を馬で行く夢‥見失つてしまつた父が、しかしあたたかな火を燃やしながら自分を待つてゐてくれる気がする‥

 これは、多くの評者がいふやうな、かすかな希望、なのでせうか?

 私には、力の暴風がふきすさぶこの世に、お前らかよわい羊どもの居場所はない。
あの世の夢でもみるがいい、とうそぶいてゐるやうにしかみえません。

 タイトルは "No Country for Old Men" ですが、Old Men とはすべての人のことでせう。
だれもが歳をとるのだから‥Old Men とは、土地に根ざして暮らしを紡いできたすべての人のこと‥
 前半分、をおぎなへば、これは完全な文章になるのでせう。
"When the New World comes, there is No Country for Old Men." と。

 そのことを、諦観をもつてうけいれよ、と胃の腑に重く残るしこりとともに刻み込む。
さういふ映画、としか思はれない。

 監督はたしかにすぐれた職人です。マスターピース、とよびたい完成度です。

 しかし毒です。
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